『甕』は鈴木明(1935 - )の第5句集。跋文:高橋睦郎、栞文:筑紫磐井、高山れおな、的野雄。
作者は伊丹三樹彦、楠本憲吉に師事、「野の会」主宰。
猫町のあかの他人と妻夕映え
芽立ち垣みち転倒の明日ありやあり
振り返るイグアナと僕薔薇同盟
夕焼仏母蹲みてぼくの積み木足す
俺おれおれと広がる俺や穴惑い
雀が消えた佐保姫がたべたのよ
しぐれて二人月面にいるようじゃないか
白歳月(しろさいげつ)を埋めよう白ふくろうを育て
原発反旗議事堂前のカタツムリ
古代頭蓋の縫合痕よ青鷹(もろがえり)
維新群像倒立原版年新た
白つめくさ野に入り魂拾う人
時間長者たちの船旅朝のレモン
一切忘却白ユリ脳に百咲いて
花鶏(あとり)ああ姉の自画切り絵図 遺品
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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