『薔薇の芽』は松枝真理子(1970 - )の第1句集。序文:西村和子、帯文:行方克巳。
作者は「知音」同人。
火事消えて一人二人と戻りゆく
おたまじやくしばかり探してあやめ園
インターホン画面すれすれ夏帽子
階段の下に団栗固めあり
新年会子を置いてきて子の話
腹減つた腹減つたとぞひきがへる
だんだんと吾子に似て来し雛かな
真夜中の世界を知れり熱帯魚
蜜柑剥くかのアイドルも不惑とぞ
腰少し浮かせ挨拶事務始
今一度名月仰ぎ地下鉄へ
遠火事やうつすら煤の舞ひ来たる
ビル丸ごと冷え切つてをり事務始
まがひ物素敵に見ゆる夜店かな
今はなき生家の客間室の花
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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