『ジタン・カポラル』は岸孝信(1948 - )の第1句集。序文:小川軽舟。
作者は「鷹」同人。
蓑虫の吾が手にあれば鳴きしかな
ほうたるやこの掌の肉うとし
書割のベニヤそそけぬ秋の暮
烏賊焼いて男無言や油照
雪の日や書庫に窃かな話声
鰆釣るランゲルハンス島晴朗
瓦屋根灼けペディキュアを塗る女
ねんねこや鈍間(のろま)色なる佐渡の海
引鴨や陸橋渡るとき孤独
カフカ読む畳に砂と舟虫と
金魚売ひつそりと国棄てにけり
夜に入りて山騒ぐなり迢空忌
新墓にジタン・カポラル冬木の芽
夜蛙や畳の部屋に床のべて
ステルス機雲表を這ふ干鰈
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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