『地球の音符』は豊里友行(1976 - )の第2句集。
豊里友行は「月と太陽(ティダ)」俳句会代表。写真家。
葡萄食う一皿分の海を盛り
蛙鳴くそれは銀河の膨張音
源平の死者が渦巻く孔雀の羽
コスモスは少女めらめら紙燃える
たましいの叫び海月の白昼夢
手のひらの宇宙を開く赤ん坊
逃げ水がテロも戦も孕んでいる
囀りが一家全滅の声になる
英霊と呼ばれ転がる握り飯
増税ばかりの鰐の目だけが浮く
櫂となる血潮の腕(かいな)島を漕ぐ
少年のギブスは恐竜の卵
まんげつの釘の天辺我が孤島
狼が来る机の森の戦前
踊れ(モーレ)
踊れ(モーレ) 苦瓜(ゴーヤー)蔓が風掴む
踊れ(モーレ)
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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