『小鳥』は岡田一実(1976 - )は第1句集。これは私家版だった『小鳥』を第2句集『境界 -border- 』刊行後に新装復刊させたもの。
岡田一実は現在「らん」同人、「小熊座」所属。
あたたかや皺に皺ある象の尻
すべらかに飴とけてゆく春の海
駆け上がれば水仙肺に痛きかな
まづ光のびて生まるるしやぼん玉
語彙少ないし放課後レタスバーガー
へこ帯の選ぶ団扇の情痴の図
大花火以外の空を見てをらぬ
土塀より高き卒塔婆と花金柑
新涼や念珠に一つ一つ穴
稲妻のゆたかに始発無人駅
うつくしく檸檬をぬらす島が待つ
鞄へと詰込むセーターの毛玉
風花風花おまはりさんにも私にも
墓石のうへに蜜柑の剥いてあり
チューリップをも切符としたり
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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Sylvian/Sakamoto - Heartbeat/Tainai Kaiki II
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