2015年
ふらんす堂
『間夜(あいだよ)』は椎野順子(1966 - )の第1句集。1999年から2014年までの396句を収録。
栞=宗田安正、序文=小澤實。
著者は「澤」同人。
目の覚めて鼻の冷たき夜更けかな
君に入ると白狐言ひたり初時雨
魚屋の奥は食堂額の花
羅やあまさず吸うて海老のみそ
傾いた墓なほします柿の秋
間夜や水に根のばすヒヤシンス
明るきよプールの底に目開けば
秋暑しイコンの女みな上目
乳液壜冷ゆ掌にのせし乳液も
烏賊吐きし墨立ちのぼる海の底
喉すべる牡蠣や次なる牡蠣を手に
電気うなぎ放電秋を惜しみけり
ハンバーガーはみ出す肉や西日中
食麺麭に黴金星に活火山
ひと切れの鰻や握り飯の中
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
*****************************************************
Yuja Wang - Rachmaninoff Piano Concerto No. 2
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。