2015年
ふらんす堂
『草の王』は石田郷子(1958 - )の第3句集。
石田郷子は「木語」で山田みづえに師事、その終刊後「椋」創刊、代表。「星の木」にも所属。
第1句集『秋の顔』で俳人協会新人賞。
寝冷えせし手足を伸ばす父亡き朝
髭振つてゐるこほろぎの怖ろしき
我が机銀漢の尾に据ゑてある
水仙の小さなかほの犇めきぬ
花エリカ悼み心の突然に
前世も淋しかりしと夏帽子
錦秋の二階のこゑのよく笑ふ
コスモスの中に雀のあらそへる
愛猫のとぶむささびのやうにとぶ
春風や淵の色せる陶のもの
秋風やいたく老いたる氏子衆
少年の投げつけしもの蝉の殻
凩や古布に棲む蝶や鳥
蛾を食べて小玉鼠も冬ごもり
狼のたどる稜線かもしれぬ
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
*****************************************************
Merce Cunningham Dance Company at BAM: Second Hand
コメントを投稿
コメントは記事の投稿者が承認してから表示されます。
アカウント情報
(名前は必須です。メールアドレスは公開されません。)
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。