2015年
文學の森
『封緘』は藤井あかり(1980 - )の第1句集。
「椋」で石田郷子に師事。今年の第5回北斗賞受賞。
山眠る前の緊りを登るなり
枯園やなみなみとして水たまり
柿落葉大切になる前に捨つ
鳥籠に鳥のおもかげ冬館
みづいろかうすむらさきか蝶凍つる
走り根を二重に三重に山眠る
投函の前の静けさ梅の花
硝子戸に硝子戸映る日永かな
花過の鳥よぎるたび窓の古る
眼球に触れたる烏揚羽かな
石ころの粗くなりゆく蛍かな
茄子漬の色移りたる卵焼
脱ぎきたる靴の遥けき裸足かな
稜線の一樹一樹や稲光
彫るごとく柿剥いてゐる漢かな
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
*****************************************************
Dead Can Dance - The Host Of Seraphim
コメントを投稿
コメントは記事の投稿者が承認してから表示されます。
アカウント情報
(名前は必須です。メールアドレスは公開されません。)
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。