2015年
本阿弥書店
『関西俳句なう』は、関西というか西日本の若手俳人のアンソロジーなのだが、人選の基準や編集方針がわかりにくく、編者も表記されていない(この辺については佐藤文香、西原天気が既に指摘しているのでそちらを参照。久留島元のブログに成立過程の説明があり、トゥギャッターにも反応がまとめられている)。
全員のプロフィールを見ると、「船団」の若手俳人13人とそれ以外の若手俳人13人を適当にペアにし、作品を見せ合って往復書簡を書かせ、別に年長の「船団」会員のミニエッセイも付けたというものらしい。
玄関に蛇が出たからデート中止 加納綾子
この声も山寺宏一かき氷 黒岩徳将
彼岸花踏んでアウストラロ・ピテクス 山本晧平
産院の廊下の白き夏の夜 山澤香奈
ジャングルジムへ月光の曲がり入る 涼野海音
念力も届かぬ滑子汁のなか 久留島元
蟷螂のしづかに草を持てあます 岡田一実
木枯しの中の立体駐車場 伊藤蕃果
さよならを過ぎて正方形の冬 河野祐子
冬隣青を使はず空を塗る 羽田大佑
台形の面積のこと蛇のこと 中谷仁美
懺悔室日をいくえにも塗る晩夏 森川大和
無頼派はみんな妻帯冷奴 塩見恵介
古代魚の瞳建国記念の日 若狭昭宏
鯔(ぼら)貰う今宵預かり猫といる 朝倉晴美
※本書は寄贈を受けました。記して感謝します。
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山寺宏一 1人17役ものまね「We are the world」
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