2015年
ふらんす堂
『遅日の岸』は村上鞆彦(1979 - )の第1句集。
村上鞆彦は鷲谷七菜子、山上樹実雄に師事。「南風」主宰・編集長(津川絵理子と共同主宰)。
たんぽぽや野に迷ひ出て鷗鳥
枯蓮の上に星座の組まれけり
花の上に押し寄せてゐる夜空かな
水尾の端遅日の岸に届きけり
初蝶やネクタイ固く職を欲る
なめくぢの身の内灯る月夜かな
父の日の夕暮れの木にのぼりけり
給料日桜に街の灯が映り
鯉病めり雪はひたすら水に消え
初蝶と運河の橋にすれ違ふ
枯蟷螂人間をなつかしく見る
いつせいに鳴る風鈴のどれ買はむ
さへづりやみな素足なる仏たち
降つてきて雀なりけり春の土
十薬の花いつせいにわれを見る
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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Eine Alpensinfonie - Richard Strauss - Staatskapelle Dresden - Fabio Luisi
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