2014年
港の人
『君に目があり見開かれ』は佐藤文香(1985 - )の第2句集。
背表紙や奥付に「句集」の文字はないが、表紙の柄の中に目立たないかたちで「レンアイ句集」の文字がある。
佐藤文香は池田澄子に師事しているが、序文等も無し。
出版記念会には私もお邪魔したが、池田澄子さんはこの「レンアイ句集」の文字が余計と思われたようで、祝辞の中で、あれは模様と思っていると発言されていた。
下記に抄出した他に『新撰21』等に発表済みの《手紙即愛の時代の燕かな》《風はもう冷たくない乾いてもいない》のような有名句も収録されている。
版元「港の人」にとっては、これが初の句集出版となるらしい。
柚子の花君に目があり見開かれ
目薬の鋭利な水や夜の新樹
孔雀見て森とつぶやく夏の果
夜を水のように君とは遊ぶ仲
歩く鳥世界にはよろこびがある
これもあげるわしやぼん玉吹く道具
セーターをたたんで頬をさはられて
夜の地平ビニルハウスが白く灯る
貸ボート左の空が明るくて
抱く夢見て腕のある今朝の秋
かれはかれえだくちあけて君を待つ
冬雲やひらめきあつてよい景色
葉桜や丘に見えたところに来てゐる
春や新聞わるい油をよく吸ふね
冬の竹輪に春の胡瓜を入れて切る
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Yale Percussion Group Performs Mauricio Kagel's "Dressur"
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