2014年
角川学芸出版
『花樹』は酒井和子(さかい・わこ 1935 - )の第3句集。装幀は加納光於+間村俊一。
著者は森澄雄、橋本榮治に師事。「杉」「枻(かい)」同人。
月なにかしきりに降らす盆の山
蕎麦食うてちかちかちかと斑雪山
波郷に梅酒の句あれば
梅酒澄むこの世のことの短けれ
穀象をすこし泳がせ米洗ふ
あまりにも晴れて鶏頭抜かれけり
山影のむつつりとあり鮎の宿
鬼やんま地球の渇く音のして
積む雪の迅さ手籠を編むはやさ
水仙の木戸より嫁ぎゆきにけり
春手袋てふ断念のかたちかな
朝顔を蒔く転生は思はざる
蛍呼ぶこゑ浮世絵のなかからも
踏んで来る畦やはらかき御開帳
はらからのやうな机を洗ひけり
いろいろの茸巡礼古道なり
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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Aoi no ue
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