「らん」(発行・鳴戸奈菜、編集・五十嵐進、西谷裕子、皆川燈)No.67(2014年秋)から。
特集は「詩の原郷へ 永田耕衣/加藤楸邨」。
屹立せよ「おう」と応へるどびん割 水天
兜虫とも触れ合へるほとけさま 矢田 鏃
純潔や真夏のようなオムライス 山口ち加
汚染地図の真ん中を行くカタツムリ 五十嵐進
粘る土が無数の触手でつかむ放射能(ポイズン)
風評という迎合と自己慰撫の合金
一房の葡萄かくまで重きとは 片山タケ子
ほんとはヒトでハリガネ虫ではないのです 金子 彩
折鶴を展けば楽になりにけり 嵯峨根鈴子
夏蝶のとまりて墓を明るくす 月犬
玉虫を捨てて拾いし媼かな 鳴戸奈菜
昼顔の群れ咲く野辺へ ただいま 皆川 燈
白い死をつぎつぎ咲かせ百合時間 もてきまり
濁り鮒畳の縁に思い寄せ 森川麗子
鳴戸奈菜「らん読のすすめ」に注目の記事。俳句文学館で永田耕衣の「月士論」なる著作集未収録の評論(約20枚)を見つけたので、次号から連載するという。「月士」は中島斌雄の若い頃の号。
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Sara X Does Mozart’s “Eine kleine Nachtmusik”
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