2014年
青群俳句会
伊丹三樹彦『写俳集18 黄土の国びと(中国篇)』は、先に刊行された『写俳集17 目玉寺と摩尼車(ネパール篇)』に続き、以前の写真と俳句をまとめなおしたもの。句は全て写俳集『隣人 ASIAN』(角川書店・1984年)からの再録。
中国といえば人民服に自転車の大群というイメージだった頃の作品群。
大夕焼 帰心一途の銀輪群
海知らぬ太陽落す 黄土の国
長城の 北も 南も 虫時雨
長城を 吹かれ越えして 秋の蝶
波乗りの鴎の むかし 渡海僧
負えるだけ負う下船の荷 戦乱史
天秤棒ぎしぎし鳴るは 霧の下船
水泡眼 ゆらゆら 甍反る国の
飯店 月光 どこかのノブが毀れている
肥桶を担ぐ真処女 麦の秋
夾竹桃揺れる裏窓 革命史
どの路地も 干物くぐらす もの炒める
夏柳 鶏歩かねば幽霊村
すべて水田 奇峰重畳を 逆映し
石筍に 瞬時の生の 腰おろす
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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Japan - Visions Of China
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