「里」(発行:島田牙城、編集:仲寒蝉)2014年4月号から。
春泥のなまめく池田満寿夫の忌 大井さち子
透明のコーヒーカップ春の雪 松本加代子
ブランコの撤去の後の広さかな 土屋郷志
たつぷりと椅子かぎろへる路上かな 上田信治
大都市のいただき桜より朧 月野ぽぽな
卒業と書けば卒業してしまふ 堀下 翔
佐保姫の衣解けばもぬけのから 小林苑を
水底のナイフに蝌蚪の群らがれる 仲 寒蝉
学食の天丼カツ丼遅日かな 瀬戸正洋
ホコ天のアキバを泳ぐ鯨かな 樽本いさお
地図を這ふ指のさらりと渡る橋 佐藤文香
茂吉忌の野火妖しげに太りゆく 谷口智行
男波弘志連載「俳諧風俗陳列棚」は、さきの東京都知事選挙の、なぜか、敗れた細川陣営(及び猪瀬前都知事)をだけ皮肉る連作。《原発の電気でテレビ演説す》《原発の電気で原発の連呼》なる句もあるが、2012年5月5日以後(一時、大飯原発が稼働していたようだが)国内の原発は動いていないはずである。
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ランキン&ダブアイヌバンド「誰にも見えない、匂いもない 2011」
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