「里」(発行:島田牙城、編集:仲寒蝉)2014年2月号から。
雑煮椀ふるびてよりの温かさ 登貴
寒鴉猫の死骸を奪ひ合ふ 関谷なでし子
雪踏めば鳴る休館の美術館 海野良子
ジングルベルいつよりか消え昭和消え 谷口純子
青邨忌かつぱえびせん床に散り 狼耳
できたての氷柱いまインドのかたち 月野ぽぽな
極上の風花を生む峠かな 仲 寒蝉
一言で言へねばそこは芒原 男波弘志(「俳諧風俗陳列棚 二」より)
巨き巨き原子炉ほどの熊眠る
《誰か適当な人の名前を、胸の中で「○○さん」と呼んでみると、何かこみあげてくるものがある。
(中略)
きっと「晩ご飯」や「○○さん」を呼ぶ声がきこえると、自分の中の犬(引用者註=パブロフの犬)は、何か大切な「そこにないもの」が呼ばれていると思うのだろう。そして、それを胸の中に探しに行き、それに対応する感情を見つけてしまうのだ。》上田信治「成分表」97
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Evgeny Kissin - Prokofiev - Piano Sonata No 8 in B flat major, Op 84
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