「里」(発行:島田牙城、編集:仲寒蝉)2014年1月号は、特集「堀下翔十八歳八十句」。
しばらく読めずにいたが、ツイッターではすでに話題となっている。
堀下翔は1995年北海道生まれ、旭川東高校から俳句甲子園に2度出場。2013年2月から「里」同人。
愛読書に上がっているのは、星新一等の日本SF、坂口安吾、丸谷才一、遠藤周作等の日本文学。文月悠光、徳川夢声などという名もある。
この春、筑波大学進学予定とのことで、個人的には近所に来ることになる(もっとも土浦~つくば間は車がないと交通の便が悪いので、つくばの人と会う場合には両者が東京に出てしまった方が早そうなのだが)。
大学入試の際に草田男でレポートを書いたという。
きさらぎを過ぎたる亀の重きこと 堀下 翔(「堀下翔十八歳八十句」から)
あめんぼの知らない水の浅さかな
このなかに絶版多し雲の峰
富士山を見つつ歯を抜く残暑かな
筆に火を点ければ燃ゆる暮の秋
文法書二十六刷雪しまき
焼跡は焼くるまへより冷たきよ
一人づつ雪のはう向く自習かな
くぢら見る足元の砂まみれなる
《文法書二十六刷雪しまき》は、山口誓子の《学問のさびしさに堪へ炭をつぐ》に一脈通じる風情。
吹雪の日、勉強中に特に見る必要もない文法書の奥付が目に留まる。「二十六刷」の向こうには、同じ本を使って勉強してきた幾多の先輩、同輩の存在がある。
誓子句の孤独さに比べると、激しい天候や他の読者への連想が含まれるところは熱く開放的な質とも見えるが、詠み方は情に泥まず、過不足無し。
島田牙城の連載「吾亦紅記録」は高野ムツオ句集『萬の翅』を論じた「有季俳句は雑歌だといふこと」。
佐藤文香選句欄「ハイクラブ」は今回で終了。今後はメルマガに移行するらしい。
後半はろくに投句できなかった。
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当ブログ、何かトラブルがあったようで、ひょっとしたら数日以内に更新不能となるかもしれない(多分ならないとは思うが)。
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怪奇大作戦 第01話 「壁ぬけ男」
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