この書影シリーズ、もともとネット上にもろくに上がっていない古いSF、推理小説のカバーデザインが好きなので始めたようなものなのだが、最近そちら方面があまり読めていない。
未読の本に寝床を取り囲まれているので、暇になったらどんどん片付けていきたいものだ。
若桑みどり『イメージの歴史』ちくま学芸文庫・2012年
《有名芸術家の名作はもとより、版画や挿絵、広告や記念碑に至るまで、美術作品が、何のために、どのように描かれてきたか―それが「イメージの歴史」だ。ここではさまざまな学問領域を自由に往来し、ポスト・コロニアル的かつジェンダー的な視線で従来の美術史を書き換える。絵画と社会のかかわりや画像の解釈方法などの理論を踏まえ、さらに西欧文化が繰り返し描いてきたイメージにメスを入れ、その精神的・社会的な背景を明らかにする。レイプを描き続けたのはなぜか、新しい政治形態はどのような画像を生んだか―人間の想像力に新たな光を当てる美術史の誕生。》(「BOOK」データベースより)
井辻朱美『エルガーノの歌』ハヤカワ文庫・1990年
《ふとした南の国へのあこがれから、騎士の身分を捨てることになったエルガーノは、放浪の旅の道すがら、旅龍や酒場のけむりの中、人びとに歌い語る。猛だけしい戦さのさまを、海の王国の美しい女王の恋物語を……「エルガーノの歌」、雪をいただく山の上にひとりで棲んでいた神ロムセイは、数百年ぶりに訪れたふもとの村の狩人の願いに応え、花嫁として村へ下った。だが、ロムセイのあまりの美しさは狩人を破滅へ導いていく「黄金の髪のロムセイ」、十字軍兵士とエジプトの少女の霊の物語「ファラオの娘」、など珠玉のファンタジイ短篇13篇を収録。》
収録作品=魔界の花/北の娘/イスファタル/谷の女神/雲/海の王子/イシルハーンの賭け/北方の太陽/魔物の贈物/黄金の髪のロムセイ/赤い石/ファラオの娘/エルガーノの歌
水見稜『二重戦士のさだめ 回廊世界シリーズ1』ハヤカワ文庫・1986年
《少年サージは神の啓示を受け、邪悪な意思に引き裂かれた自らの半身を求める苦難の旅に出る。一方、強大な力をもつ獣人グラウラは神の摂理を脅かす存在として人々を戦慄させていた。そしていま、魔界の侵略に荒廃しゆくカザの都にたどり着いたサージは、魔物に奪われた王女奪回の仲間を募り、魔の山へ向かおうとしていた。この冒険行の果てに待ちうけるものは……魔界の侵略を許す混沌に満ちた世界に、引き裂かれた理知と力がひとつになり、世界に秩序をもたらす超戦士の誕生するときが刻々と迫る! 雄大な構想のもとにおくるシリーズ第一弾!》
山田正紀『弥勒戦争』ハヤカワ文庫・1981年
《超常能力ゆえに、自らに滅びの運命を課す独覚一族。その一人である結城弦は、長老から、人類を第三次世界大戦の危機に陥れようとする、正体不明の独覚の存在を知らされる。ところが、一族の掟に従い、悪しき独覚を除こうとする結城たちの前に姿を現したのは、ブッダ入滅後五十六億七千万年を経て現世に出現し衆生を救うといわれる弥勒だったのだ…。“神”をテーマに描く傑作SF。》(「BOOK」データベースより)
渡部直己『リアリズムの構造―批評の風景』論創社・1988年
ボワロー『詩法』人文書院・2006年
《フランス17世紀の文芸評論家、風刺詩人として名高いボワローの古典主義の理論書の名著、本邦初の韻文訳。重厚さに軽妙さと諧謔味を加えた躍動感を生かすべく、原文の十二音節(アレクサンドラン)を七五調の韻律に直す。》(「MARC」データベースより)
佐藤健太郎『炭素文明論―「元素の王者」が歴史を動かす』新潮選書・2013年
《農耕開始から世界大戦まで、人類は地上にわずか0.08%しか存在しない炭素をめぐり、激しい争奪戦を繰り広げてきた。そして地球温暖化とエネルギー危機に直面する現在、新たな「炭素戦争」が勃発、その勝敗の鍵を握る「人工光合成」技術の行方は…?「炭素史観」とも言うべき斬新な視点から、人類の歴史を大胆に描き直す、興奮のポピュラー・サイエンス。》(「BOOK」データベースより)
アサウラ『ベン・トー―サバの味噌煮290円』集英社スーパーダッシュ文庫・2008年
《ビンボー高校生・佐藤洋はある日ふらりと入ったスーパーで、半額になった弁当を見つける。それに手を伸ばした瞬間、彼は嵐のような「何か」に巻き込まれ、気づいた時には床に倒れていた。そこは半額弁当をめぐり熾烈なバトルロワイヤルが繰り広げられる戦場だったのだ!その不可思議な戦いに魅せられた佐藤は、そこに居合わせていた同級生・白粉花とともに半額弁当の奪取を試みるが、突如現れた美女、「氷結の魔女」に完膚なきまでに叩きのめされる。そして、その美女が佐藤に告げた言葉は…。第5回大賞作家の新境地、庶民派学園シリアス・ギャグアクション、開幕。》(「BOOK」データベースより)
谷川俊太郎『詩を考える―言葉が生まれる現場』思潮社・2006年
《現代詩の最先端に立つ詩人の詩論のエッセンス。誰にでもわかる明快な言葉で、詩と世界との関わりと、詩のありかを解読してみせる。「詩を書く」につづく3部作の一冊。岡井隆、寺山修司、大岡信によるゲストエッセイを収録。》(「MARC」データベースより)
横溝正史『不死蝶』角川文庫・1975年
《「蝶が死んでも、翌年美しくよみがえるように、いつか帰ってきます」
二十三年前、謎の言葉を残し、突然姿を消した一人の女。当時、鐘乳洞殺人事件の容疑者だった彼女は、成長した娘と共に疑いをはらすべく、今、因縁の地に戻ってきた。だが、その彼女の眼の前で、再び忌わしい殺人が起きた! 被害者の胸には、あの時と同じく、剣のように鋭い鐘乳石が……。
迷路のように入り組んだ鐘乳洞で、続発する殺人事件の謎を追って、金田一耕助の名推理が冴える!
横溝正史の傑作長編推理。》
ロラン・バルト『喪の日記』みすず書房・2009年
《愛する母の死から書き起こされた断章群。「この悲しみをエクリチュールに組みこむこと」。最晩年のバルトが遺した苦悩の刻跡にして懸命の物語を、初めて公刊。》(「BOOK」データベースより)
ジャン・ジュネ『シャティーラの四時間』インスクリプト・2010年
《1982年9月、西ベイルートの難民キャンプで起きた凄惨なパレスチナ人虐殺。本書は、最初のヨーロッパ人として現場へ足を踏みいれたジャン・ジュネによる事件告発のルポルタージュであると同時に、パレスチナの戦士たちとの交わりを通して幻視された美と愛と死が屹立する豊穣な文学作品でもある。事件をめぐって証言するジュネへのインタヴュー、鵜飼哲の論考、68年パレスチナ国民憲章全訳、他資料併録。》(「BOOK」データベースより)
ジャン・ジュネ『判決』みすず書房・2012年
《遺作『恋する虜』のプロトタイプでありつつも、まったく独自の高密度結晶体。「犯罪者」ジュネ総決算の書にして、パレスチナをはじめ世界の抵抗運動に同伴する「証言者」ジュネを始動させた詩的かつ思想的テクスト》(「BOOK」データベースより)
ジャン・ジュネ『判決』 | トピックス : みすず書房
H・フォシヨン『[改訳]形の生命』平凡社ライブラリー・2009年
《瞠目すべき40年振りの改訳。20世紀前半を代表する美術史の碩学アンリ・フォシヨンの古典的名著を、この書に惚れ込んだ杉本秀太郎氏が最大の熱意を傾注して改訳し、流麗なる文章に仕上げた。》
秋元雄史・安藤忠雄ほか『直島 瀬戸内アートの楽園』新潮社・2006年
《この島、まるごと現代アート!安藤忠雄設計の地中美術館、古い民家が作品に変身する家プロジェクト。美術館と一体となったホテル…。小さな島の世界的アートプロジェクトを完全ガイド。》(「BOOK」データベースより)
(HP記載のものは2011年の改訂版、著者表記に異同あり)
カート・マイケル・フリーズ、クレイグ・クラフト、ゲイリー・ポール・ナバーン『トウガラシの叫び―〈食の危機〉最前線をゆく』春秋社・2012年
《農家は知っているのに、私たちが知らない本当のこと。干ばつ、洪水、ハリケーン…。急激な異常気象は、私たちの食にどんな影響を与えているのか?太古の気候変動を生きのび、世界に広がったトウガラシを「レンズ」に、地球の今をかいまみる。食と環境問題の真実がわかる、紀行ノンフィクション。》(「BOOK」データベースより)
すずきあきら『百花繚乱』HJ文庫・2009年
《ときは平誠二十X年。ところは富士の裾野、反生徒会勢力“豊臣派”に粛清の嵐が吹き荒れる武應学園塾。柳生道場師範代にして高校生、宗朗がひとり刀を振っていたそのとき、道場の屋根を突き破り、裸の美少女が落ちてきた!美少女いわく、「我は…柳生十兵衛…三厳!」剣豪の名を持つ少女たちの織り成す学園バトルラブコメディ、いざ開幕。》(「BOOK」データベースより)
渡部直己『私学的、あまりに私学的な』ひつじ書房・2010年
《文芸批評家であると同時に教育者でもある著者の、授業で実際に教えている積年の「ネタ」が詰まった一冊、早稲田大学文学学術院講義ネタ帖。》(「BOOK」データベースより)
澤野雅樹『ドゥルーズを「活用」する!』彩流社・2009年
《内容紹介
★思想の解説ではなく、実際に思想を使うとはどういうことか、本書で実践。
★「此性」「強度」「差異」…などの概念が、生きるための糧となる。
★難解でなる『差異と反復』『アンチ・オイディプス』他も愛読書に。
〈活用〉するという言葉は、他の誰よりもドゥルーズの思想にこそ相応しい。概念は、世界の彩りを変え、人の生を変化させる道具である。》
吉行淳之介『街角の煙草屋までの旅』講談社文庫・1981年
《家から一歩外に出れば旅だ、と考えるヘンリー・ミラーに共感し、自分の住む都会を歩きまわる中ですばらしい旅や風景を発見する、と語る著者の姿勢には、作家らしい感受性と想像力の重視がうかがえる。そのほか幼少時の思い出、交遊、文章観、身辺雑記等を綴り、吉行文学の基盤をあきらかにした卓抜エッセイ集。》
ドン・デリーロ『アンダーワールド(上・下)』新潮社・2002年
《アメリカが生んだ最高の文芸作家の1人、と国内外から賞賛されるドン・デリーロが1997年に発表した作品の邦訳。上下巻、各600ページを超える長編だ。
物語の幕開けは1951年、ニューヨーク・ジャイアンツとドジャーズの優勝をかけたペナントレース。その日はアメリカ中が歓喜と興奮に満ちあふれた日であり、またソ連が核実験に成功した冷戦史における重要な日でもあった。
第2次世界大戦後、世界のリーダーとして君臨してきたアメリカは羨望の的だった。その栄華と表裏一体となる陰影の部分を、著者はゴミ処理ブローカーや核実験研究員などを通してじっくりと描き出している。
陰影の部分とは、常に隠されてきたタブーであり、また人々もそれに目を背けてきた。だが、そうした「暗」の部分は「噂(うわさ)」となって浮遊している。たとえば、核廃棄物を乗せ、どこからも入国許可がもらえずに海洋を徘徊する船の話。放射能防止チョッキを着せられ、実験台にさせられている豚の群の話。ネバダ州の実験場のそばにある農村に住むありとあらゆる身体障害を持つ人々の話。
真実か嘘か確かめられない登場人物たちは、そうした噂を「あり得る話」だと判断する。だが、一方では、テレビで繰り返し放映される本物の殺人シーンを真剣に受け止めることができないでいる。そうして彼らは現実と虚構の間をさまよいながら、自分にとっての「現実」とは何かを模索していく。
本書で語られている内容の重さに立ち向かううちに、読み手はさまざまな角度から現実に向きあう機会を得る。デリーロはドキュメンタリーやニュース以上に、現実について読者を敏感にさせる見事なフィクションを作り出した。(松本芹香)》
仁木悦子『殺人配線図』角川文庫・1981年
《偶然、街で、大学時代の友人塩入に出会った新聞記者の吉村駿作は奇妙なことを依頼された。
塩人には三つ年下の従妹がいるのだが、その父親が去年、三階建ての自宅のベランダから墜死した。警察も認めた完全な事故死だが、彼女は、自分の過失から父親が死んだという自責の念で、ふさぎ込んでいる。別の原因をでっち上げて彼女の心の負担を取り除いてくれないかというのが塩入の依頼だった。吉村は、飛躍したその話に一旦は断ろうとしたが、人助けと思ってと言われ、結局、引き受けることにした。だが、吉村が調べ始めていくと、意外な事実が判明してきたのだ……。
女流推理作家の第一人者が丹念な構想と筆致で描いた傑作長編ミステリー。》
鮎川哲也『積木の塔』角川文庫・1976年
《東京のある喫茶店で、善良な中年サラリーマンが迎えた突然の死。それは、会社の倒産でやむを得ず入った新しい職場で、やっとその仕事ぶりを認められた矢先のことだった。
検査の結果は青酸による他殺と判明。大黒柱を殺害して一家族を路頭に迷わせた憎むべき犯人は何者?
――やがて容疑者として一人の女が浮かんできた。だが、何故か彼女も無惨な変死体で発見され、事件は混迷の淵に落ち込んだ。真相を追う丹那刑事・鬼貫警部と犯人の対決の結末は……?
推理界の雄、鮎川哲也が、その力量を存分に発揮した長編推理の傑作!》
栗本薫・木原敏江『シルクロードのシ』集英社文庫・1986年
《シルクロードの「シ」は始、史、詩、死の「シ」。悠久の歴史、絢爛たる美術、永遠のロマンを求めて念願の上海、蘭州、敦煌、北京へ旅立った木原敏江、栗本薫、松澤睦美、芳村梨絵、高光望らメンメン。大陸での13日間、それぞれの思いを小説、マンガ、エッセイ、イラストと多面的に表現するドキュメント方式中国珍道中記。》
仁木悦子『青じろい季節』角川文庫・1980年
《電話の向こうで、喘ぐような息遣いが聞こえる。矢竹謙吾の母親だった。
「謙吾が死体で発見されました……」ようやく口を開いた彼女の一言に、朝人は送受器を握ったまま、立ち尽した。
小さな翻訳事務所の青年経営者砂村朝人は、ある日、下請けの若い翻訳家矢竹謙吾から一通の速達を受取った。中身は、頼みもしない翻訳原稿である。そしてその日の午後、矢竹の母親の不意の訪問を受けた。息子が失踪したので相談に来たというのだ。放ってもおけず、朝人は矢竹の行方を探し始めた。だが、捜索を開始してまもなく、彼は何者かに襲われた。そしてその直後、矢竹が死んだという連絡が……。
輻輳する謎に挑む素人名探偵砂村朝人の活躍を描く傑作長編推理。》
細川周平『日系ブラジル移民文学―日本語の長い旅Ⅰ』みすず書房・2012年
《様々“切実さ”に駆られ、創作に思いを捧げた日系移民は、何を込め、いかなる報いを求めたのか。小説、詩、俳句、短歌、川柳、歌謡に生存の足跡を追った遙かなる移民の文化史。長期取材、徹底した踏査にもとづく集大成。》(「BOOK」データベースより)
細川周平『日系ブラジル移民文学』 I | トピックス : みすず書房
細川周平『日系ブラジル移民文学―日本語の長い旅Ⅱ』みすず書房・2013年
《捨てがたい母国語をいつくしむように綴られた日系移民文芸百年の軌跡。概念、同人誌、題材、作品、人物と個別にあたり、表現に込められた想い、そして生のかたちを考察する。なぜ書いたのか。作品の背景が明かされる。》(「BOOK」データベースより)
大江健三郎『芽むしり仔撃ち』新潮文庫・1965年
《大戦末期、山中に集団疎開した感化院の少年たちは、疫病の流行とともに、谷間にかかる唯一の交通路を遮断され、山村に閉じこめられる。この強制された監禁状況下で、社会的疎外者たちは、けなげにも愛と連帯の“自由の王国”を建設しようと、緊張と友情に満ちたヒューマンなドラマを展開するが、村人の帰村によってもろくも潰え去る。綿密な設定と新鮮なイメージで描かれた傑作。》
S・ブラント『阿呆船(上)』現代思潮新社・2010年
《中世末期、人間の様々な悪行や狂態を凝視したブラントは、これを111人の阿呆に替えて痛烈に批判した。破天荒の阿呆詩集。木版画付き。1968年刊の新装版。》(「MARC」データベースより)
S・ブラント『阿呆船(下)』現代思潮新社・2010年
《中世末期、人間の様々な悪行や狂態を凝視したブラントは、これを111人の阿呆に替えて痛烈に批判した。破天荒の阿呆詩集。木版画付き。1968年刊の新装版。》(「MARC」データベースより)
サーデク・ヘダーヤト『盲目の梟』白水社・1983年
収録作品=変わった女/こわれた鏡/ラーレ/ハージー・モラード/サンピンゲ/赦しを求めて/野良犬/三滴の血/ダーシュ・アーコル/盲目の梟
サーデグ・ヘダーヤト - Wikipedia
宇野邦一『ドゥルーズ―群れと結晶』河出書房新社・2012年
《日本のドゥルーズ導入と研究の第一人者が反復、リゾーム、身体、記号などの主要概念に繊細に迫りながら、国家と資本を超える戦争機械を問い、それらの根底にある群れ=身体と結晶=時間の哲学者としてのドゥルーズの新たな姿を詩的文体とともにうかびあがらせる。かつてない生の倫理を呼び寄せるドゥルーズ入門書の決定版にして世界で最も美しいドゥルーズ的思考の実践。》(「BOOK」データベースより)
カント『判断力批判(上)』岩波文庫・1964年
《『純粋理性批判』『実践理性批判』につづく第三批判として知られるカントの主著。カントは理性と悟性の中間能力たる判断力の分析を通じて,自然の合目的性の概念と普遍的な快の感情の発見に到達し,自然界と自由界の橋渡しを可能にするこの原理を確認して壮大な批判哲学の体系を完成した。(全2冊)》
カント『判断力批判(下)』岩波文庫・1964年
《本書は美と芸術の問題を取り扱って,広く文学者にも大きな影響を与えた。ゲーテは言う――カントの学説は引き続き影響を与えてきたし,またドイツ文化に深く浸潤している。たとえ君が彼の著書を読んだことがないにしても,彼は君にも影響を与えているのだ。……君がいつか彼の著書を読みたければ「判断力批判」をお勧めする(「ゲーテとの対話」)。》
火浦功『大熱血。―未来放浪ガルディーン①角川文庫・1986年
《「おやじの仇を討つんだっ!」
思い込んだら命がけ、男の子として育てられ、うだうだした事が大っ嫌いな熱血少女コロナは、敵ヴァルマーの本拠に、ひとり敢然と乗り込んだ!
一方、男のくせに女の武器で勝負する、旅の踊り子シャラもまた、財宝をねらって、ヴアルマーの宮殿に潜り込んでいた……。
コロナとシャラの運命の出会い。そして、謎の機動メカ〈ガルディーン〉とは?
大構想。大活劇。大爆笑。
書下し巨大ロボット珍道中。
豪華、予告編・巻末対談つき!!》
火浦功『大暴力。―未来放浪ガルディーン②』角川文庫・1987年
《「コロナ現る!!」の報に、敵10000のヴァルマー兵たちは、われさきに逃げはじめた。なにしろ、素手で敵機動兵器を叩き落とした強者だ。そこに、どーんという音とともに、大量の土砂を吹きあげる砂虫の出現! 巨艦パンタグリュエルは座礁してしまった。火の玉みたいな勢いのコロナひとりと砂虫に討伐隊は惨敗した。
黒煙をあげている荒野に、ひとりとり残されたトロイ〈軟弱王〉は、近づいてきた人影に、助けてくれとばかりにすがりつくと、それは、戦いに勝ったコロナだった! 書下し傑作巨大ロボット珍道中。》
篠原資明『ドゥルーズ―ノマドロジー』講談社・2005年
《ノマドロジー―定住することなく草原を自由に駆けめぐる遊牧民のように生きる事は可能だろうか。われわれの日常は、無意識のうちに領土化され、内部化されている。その図式を拒絶する遊牧民の生き方は、それ自身外部性の形式をもち、画一化を迫るさまざまな力と格闘する多様体の論理を有している。ノマドロジーとは狭義の政治にとどまらず、思考や芸術といった営為においても、新たなものを生成し閉塞からの逃走線を描くための有効な武器なのだ。》(「BOOK」データベースより)
M・ハイデッガー『技術への問い』平凡社・2009年
《現代技術の本質は集‐立にある!人間を閉じ込めるこの命運からの脱却は可能か?思索の敬虔さとしての問い。》(「BOOK」データベースより)
平凡社ライブラリー
ロイス・デイヴィス・ヴァインズ『ポオとヴァレリー―明晰さの魔・詩学』国書刊行会・2002年
《ヴァレリーはポオの中に、一体何を見出したのか…。フランスを代表する詩人ポール・ヴァレリーが、“明晰の魔”エドガー・ポオから受けた影響を、数々の作品、論文、書簡を駆使して明らかにする画期的詩論。》(「BOOK」データベースより)
前田英樹『ベルクソン哲学の遺言』岩波現代全書・2013年
《アンリ・ベルクソン(一八五九‐一九四一年)は、一九三七年二月八日に記した遺言状で「公衆に読んでもらいたいものすべてを刊行した」と断言し、生前刊行した七冊の著書以外の死後出版を厳に禁じた。この言葉を正面から受けとめるため、処女作『意識の直接与件に関する試論』(一八八九年)から『道徳と宗教の二源泉』(一九三二年)に至る哲学者の歩みが丹念に追跡され、その軌跡から遺言状に込められた意味が浮かび上がる―長らく待望された、著者初の本格的モノグラフ。》(「BOOK」データベースより)
清水マリコ『嘘つきは妹にしておく』MF文庫・2002年
《ある日、主人公・ヨシユキのカバンの中に、見覚えのないものが入っていた。それは、ほとんどのページが真っ白な、おかしな本。「その本はね、あるお芝居の脚本なの」突然現れた女の子は、自らを「現実じゃないの。妖精かな」と言う。ヨシユキはその少女「みど」と共に、失われたページを持つ人々を捜すことに…。果たして、そこに描かれていた物語とは?そして、みどの正体とは?あなたの心に切なさと懐かしさを喚起するファンタジックストーリー。》(「BOOK」データベースより)
冲方丁『スプライトシュピーゲルⅠ』ファンタジア文庫・2007年
《蒼い空を翔ける三色のライン。紫の少女―鳳/アゲハ。蒼の少女―乙/ツバメ。黄の少女―雛/ヒビナ。近未来のウィーン、ミリオポリスと呼ばれるその都には、あらゆる言葉が飛び交い、人々はさまざまな神を信じ、そして、くだらない争いに巻き込まれ命を落としていた。日常の間の中で―。そんな、混沌の中で生きる三人の少女たちがいた。機械化された身体を持ち、最新の官給品として、敵を貫く弾丸。「炎の妖精」たち。地下深く静かに流れていた泥流・テロが顕在化した時、三人の弾丸に、命令が下る。敵を貫け!破砕せよと。これは、天に唾をしながら、未来をあざけり、日々を生きる妖精と呼ばれた少女たちの物語。》(「BOOK」データベースより)
時雨沢恵一『キノの旅ⅩⅣ the Beautiful World』電撃文庫・2010年
《「なあ……、アンタだろ? 昨日入国したキノって名前の旅人さんは。ラジオで聞いたぜ!」「ええ、そうです」「立ち話で悪いけど、すぐに済むからちょっと聞いてくれよ! この国の酷いところをさ!」「酷いところ、ですか?」「ああ……。つい先月のことだ。この国では、法律で×××××が禁止された! それまで普通に買えたし、楽しめていた×××××だが、今はもうダメだ! 製造も販売も購入も、ましてや単純所持もダメだ! 俺なんか、働いた金で買った×××××をすべて提出しろと言われたぜ! 提出しないと、逮捕だ」「急に厳しくなったんですか?」(第三話「規制の国」より)他全13話収録。
そして、今回の“あとがき”は――!?》
秋山徳蔵『味の散歩』三樹書房・1993年
《昭和天皇の料理番として華やかな饗宴の演出と日常の食事を預り、また、日本のフランス料理界をリードしてきた著者が、宮中と市井の間を散歩しながら目にしたさまざまな風景を、鮮やかなペンさばきで調理した書。》(「BOOK」データベースより)
イヴリン・ウォー『ヘレナ』文遊社・2013年
《「彼女は夢で歩いたとおりの小道をたどった」英国出身のローマ皇帝生母による十字架発見は、史実か虚構か―?真の十字架という聖遺物をめぐってキリスト教の核心に迫る、渾身の長篇小説。》(「BOOK」データベースより)
ヴァルター・ベンヤミン『ベンヤミン・コレクション5 思考のスペクトル』ちくま学芸文庫・2010年
《「破壊的性格」を巻頭に置き、宗教、筆跡学、映画など多彩な考察群を収録。基礎論的な対象領域からアクチュアルな対象領域へ、萌芽的思考から成熟した思考への変容を辿った珠玉の論考集。》(「BOOK」データベースより)
安藤礼二『近代論―危機の時代のアルシーヴ』NTT出版・2007年
《南方熊楠・柳田國男・鈴木大拙・西田幾多郎・井筒俊彦。1910年代という「歴史の亀裂」に生まれた“危機の時代の思想家”たち。「世界史的な未完のプロジェクト=近代」と格闘した五人の軌跡を現代に問いなおす。》(「BOOK」データベースより)
高山宏の読んで生き、書いて死ぬ : 『近代論-危機の時代のアルシーヴ』安藤礼二(NTT出版)
ミシェル・フーコー『ユートピア的身体/ヘテロトピア』水声社・2013年
《権力による服従化とともに存在し、抵抗へと反転しうる身体を考察する「ユートピア的身体」と権力への抵抗と、権力の解体の可能性を秘めた反‐場所を模索する空間論「ヘテロトピア」の二篇を収録。本邦初訳のジュディス・バトラー「フーコーと身体的書き込みのパラドックス」も収録!》(「BOOK」データベースより)
布施英利『美の方程式』講談社・2010年
《「黄金比」「螺旋」「崇高」のキーワードが解く「美」のコード。「パルテノン神殿」ダ・ヴィンチ『モナリザ』ライト「グッゲンハイム美術館」コルビュジエ「サヴォワ邸」ゴッホ「ローヌ川の星月夜」…に潜む方程式とは。》(「BOOK」データベースより)
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Hélène Grimaud - Beethoven - Piano Sonata Nº31 Op110
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