「秋草」(発行編集:山口昭男)2013年12月号から。
鑑賞欄「秋草逍遙」は今回から三号、小豆澤裕子。
特集「今年の秋草」に青木亮人「気品と無意識―松本たかし句集評」等。
《たかしに長年師事した弟子の占魚は彼の非常識ともいえる性行を多々目撃しており、特に女性関係の放埓さには辟易したという。作者本人と句の特徴を結びつけるのは慎重を要するが、たかしの作品に折に触れて「気品」に収まらない「写生」の生々しさが宿るのは、彼が時に見せた不均衡な側面があったように感じられる。少なくとも親友の茅舎は、たかし作品をそのように見ていた。
たかしは全くいつも聡明に何も彼もを意識してゐるやうであるがギリギリ(※原文「〱」)のところで意識を外れてゐるところが たかしの恐ろしさである。(「松本たかし 鷹」、「俳句研究」昭和十四年一月号)》(青木亮人「気品と無意識―松本たかし句集評」)
こひぶみのはじめむづかしゐのこづち 山口昭男
梨売のつかまへどころなき顔よ
老人はみんな退屈菊の花
水澄みて教会の椅子たたむ音 大西美帆
暗ければ水辺へ戻す籠の虫 三輪小春
幼な子の三和土のくつや曼珠沙華 立川由美子
叩かれて舌出す玩具爽やかに 髙井礎良
白猫の汚れて戻る月夜かな 岡村りつ子
寄り添つて言葉少なく冬銀河 横内正人
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Chopin - Piano Recital (16 octobre 1976, Moscou) - Sviatoslav Richter
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