「MANO」(編集発行・樋口由紀子)第18号(2013年7月)から。
特集と銘打ってはいないものの、去る10月に亡くなった川柳界のリーダーで「MANO」の創刊同人でもあった石部明の追悼特集の色合いが濃く、評論・エッセイ4篇のうち3篇(佐藤みさ子、加藤久子、樋口由紀子)が石部明について。残り1篇は小池正博の「現代川柳の方法」。
《「私は川柳で大嘘を書いてみたい」の名言はこの場から生まれた。「咄嗟のこと」だと言っているが、私は確信犯だったと思う。どちらにせよ、愛と命にとまどっている川柳人に大いにうけ、石部の存在は不動のものになる。》樋口由紀子「石部明という存在」 ※「この場」は1989年、「岡山県川柳作家100句抄」出版記念の会「岡山の風6」を指す。
作品は、同人4名が各20句を発表。
ゲンパツを抱くとポタポタ雫する 佐藤みさ子
和を以て地震津波の国である
千年に一度のゆめの遺族です
間取図に背高泡立草と風 加藤久子
正装の下の間違えそうな道
陶片を継ぎ合わせれば異国
天井から降ってきたのは花かつお 樋口由紀子
プチトマトどうでもいいことが続く
糠床は笛が鳴ったらかきまぜろ
議定書が酒場の外へ出ていった 小池正博
雷鳴に回り続けるゆで卵
貌のない三人橋を渡りきる
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MUMMENSCHANZ "40 years" highlights
特集と銘打ってはいないものの、去る10月に亡くなった川柳界のリーダーで「MANO」の創刊同人でもあった石部明の追悼特集の色合いが濃く、評論・エッセイ4篇のうち3篇(佐藤みさ子、加藤久子、樋口由紀子)が石部明について。残り1篇は小池正博の「現代川柳の方法」。
《「私は川柳で大嘘を書いてみたい」の名言はこの場から生まれた。「咄嗟のこと」だと言っているが、私は確信犯だったと思う。どちらにせよ、愛と命にとまどっている川柳人に大いにうけ、石部の存在は不動のものになる。》樋口由紀子「石部明という存在」 ※「この場」は1989年、「岡山県川柳作家100句抄」出版記念の会「岡山の風6」を指す。
作品は、同人4名が各20句を発表。
ゲンパツを抱くとポタポタ雫する 佐藤みさ子
和を以て地震津波の国である
千年に一度のゆめの遺族です
間取図に背高泡立草と風 加藤久子
正装の下の間違えそうな道
陶片を継ぎ合わせれば異国
天井から降ってきたのは花かつお 樋口由紀子
プチトマトどうでもいいことが続く
糠床は笛が鳴ったらかきまぜろ
議定書が酒場の外へ出ていった 小池正博
雷鳴に回り続けるゆで卵
貌のない三人橋を渡りきる
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