「草樹」39号の目玉は大著『詩心二千年』を刊行した高橋睦郎への宇多喜代子によるインタヴュー。
一部を引く。
宇多 「相聞対挽歌」の章がありますが、ここを詠んでおりまして、俳句が「切れ」を発明したのは、相聞と挽歌、これはこの形式ではとても無理、そこを諦めたということ、これが「切る」ことをみつけたか、と思いましたが。
高橋 そういえるかもしれませんね。挽歌というのは恨みでもありますから。(p.6-7)
高橋 (……)詩歌のの根は女性性ですよ。それを男性が奪ったんですね。たとえば芭蕉、彼は女性性の感性を持った人です。それが日本の伝統であって、王朝時代の歌合の会などでは、会主が女房と名乗るなど、男性が女性に化けて書いている。芭蕉はその伝統の延長にいるといえましょうね。そして虚子。(p.8)
他に「第3回草花賞発表」なるものがあり、これは20句1組で会員から募る賞らしい。応募45篇の中から当選2篇と佳作4編を掲載。
以下、草花賞の2篇から
豊年や煎餅拳もて割りぬ 熊澤やすを
岩根(いはがね)を捲き込む木の根神あそび
野路菊や舟のどれかが音たてて 松村 操
漢来て懸崖の菊昃らす
*****************************************************
Pina Bausch - Cafe Müller
コメントを投稿
コメントは記事の投稿者が承認してから表示されます。
アカウント情報
(名前は必須です。メールアドレスは公開されません。)
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。