「円錐」第53号(2012Summer)は「戦後派俳人作品鑑賞」が連載4回目(表紙に「(2)」とあるがおそらく誤り)に加え、「小特集・俳句における恋(1)」というのが載っていて、山田耕司は『新撰21』から恋の句を引いて鑑賞、横山康夫は塚本邦雄、春日井建、吉野秀雄らの短歌と引き比べつつ草田男の句を鑑賞している。
山田耕司が、恋の句への「個人的な回路の含有具合」を指す「林檎指数」なる仕掛けを発明して、越智友亮、藤田哲史、山口優夢ら、『新撰21』前半(主に20代)の作者の句の指数を計量しているのが面白い。「林檎指数」の名はもちろん寺山修司の《林檎の木ゆさぶりやまず逢いたきとき》に由来する。
D51を研き落葉を掃く仕事 栗林 浩
船小屋の太き閂日本海 佐藤獅子夫
青蘆や遠(をち)に四本の煙突(けむりだし) 和久井幹雄
瞬ける冬の星座や合宿地 三輪たけし
〈その蝶〉が墜ちて大言海の中 今泉康弘
アリスは何もすることがなくて火事のなか
腰痛で黄泉平坂まで行けぬ 味元昭次
羽化もせずもう酢海鼠となつてゐる 山田耕司
一本道のしばれる風と馬糞かな 澤 好摩
空砲に煙ありけり春の海
冬の日の卵の影の超楕円 入船誠二
以下、会員作品から
雪が降り石が太るという話 後藤秀治
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Bronski Beat & Marc Almond - I Feel Love
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