何となく書いたつもりでいたが、ブログではまだだった。
今年の1月16日に、震災で落ちた屋根の修理が一応済んだ(どこがどういう具合になったのか、工事後、風が吹くたび屋内の壁の中で変な音がするようになったので、大雨が漏れずに済むのかどうかは降ってみないとわからないのだが)。
震災後、うちから出た瓦礫を軽トラ一杯分ほど一度最終処分場に持ち込んでいたのだが、工事が終わった後、屋根の上に残っていた廃材がまた新たに庭に山積みになった。
業者に引き取ってもらうとただの「産廃」となって処分料金がかかり、それが工費に上乗せされてしまうので置いていってもらったのである。
被災後、市役所で罹災証明は発行してもらってあり、それを提示して被災者が自分で最終処分場まで持ち込む分には無料になるのだ。
車の運転が出来ないのでしばらく放置していたら、私のツイートを見て、2月9日に榮猿丸さん、生駒大祐君、野口る理ちゃんが片付けの手伝いに当方の自宅までわざわざ来てくれて、おかげで一日で片付いた。
暗くなってから3人を駅まで送っていったが、バスを待つ間が寒いのでそこで題を出し合って句を作り、駅前の飲み屋で句会となった。皆様その節はお世話になりました。
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その日、軽トラを運転してくれた猿丸さんが編集長の「澤」2012年3月号から。
巻頭に押野裕句集『雲の座』俳人協会新人賞の告知があって、何か受賞すると結社はお祭騒ぎになると噂には聞いていたが、この後実際に祝宴も持たれて盛り上がったらしい。
囀れるとは百千の鳥嘆く 高橋睦郎
初日差す人の立ち入るまじき野へ 小澤 實
以下「潺潺集(せんせんしふ)」から
蓄音機に聴く未完成目貼して 高橋博子
伊勢海老の上に伊勢海老水より鬚 中井亜由
汝と別る水族館の鮫を見て 生井敏夫
聖夜劇藁へスポット赤く当つ 村上佳乃
冬晴や捨つるマネキン不燃ゴミ 新井 寛
比類なき全き禿に冬日さす 川上弘美
鱈の腹割くや喰らひし魚数多 葛西省子
離し敷かるる蒲団つけるや仲居去れば 結城あき
以下「澤集」から
藷掘れば一番大きくて恥ずかし 田沼和美
蟹と海老河豚鰤牡蠣や酒場なる 石崎鬼門
枯園に這ひてホースのつやつやと 林 雅樹
雪の字のゲシュタルト崩壊もう眠る 田中 槐
時計塔内螺旋階段神の留守 榮 猿丸
池田瑠那さんが拙句集の評を書いてくれている。
俳コレ竟宴のときに池田さんにお会いして、そのときはまだ執筆前だったのだが、読みきれなくて変なこと書いてしまったらすみませんと先にやたらに謝られてしまった。
この句集、評されるときはどうしても介護と震災の部が目立つことになるのだが、それ以外の部分も目配り良く鑑賞を拡げてくださっていると思います(当人がいうのも何か変だが)。
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Eurythmics - Missionary Man
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