「小熊座」2012年3月号から。
根元のみ残りしものへ冬の月 高野ムツオ
霜柱その渾身の崩れ方
凍星や孤立無援にして無数
鮟鱇が剥れつつ見る街あかり 増田陽一
海底の人より来たる年賀状 千田稲人
風は声沼は耳なり冬の葦 清水智子
レンガ積むごとき思い出クリスマス 佐藤成之
白菜漬けと意欲分けあう仮設かな 俘 夷蘭
北吹くやダリがうしろに震災以後 森 黄耿
うすうすと胃に放射能冬の月 須崎敏之
原発忌ミトノマグワヒ請ヒ願フ 渡辺誠一郎
ゆっくりと寝技に掛かる海鼠かな
近刊句集鑑賞欄で津髙里永子さんが竹岡一郎句集『蜂の巣マシンガン』と並べて拙句集を取り上げ、「食う」をキーワードに難解と避けられがちな社会詠やカタカナ書きの作品などまで踏み込んで鑑賞し、介護・震災詠をも横断してみせてくれている。
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Isla Efímera (Videodanza)
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