2006年
青土社
ピエール・ブーレーズ/クロード・サミュエル[聞き手]『エクラ/ブーレーズ 響き合う言葉と音楽』から。
発言は全てブーレーズ。
《率直に言いますが、私は教育というものに基本的に関心がありません。私は偶然を信じるのです。私は、あなたの心の中に何かしらを引き起こす誰かに信を置きます。私はメシアンと出会う機会を得ました。》(p.30)
《ムソルグスキーに戻るなら、彼の言語は発展していかなかったと言い添えておきます。まさに技法の欠如が発展を阻害したからです。ひとつの伝統に参加している作曲家の特性は、発展する能力だと私は思います。作曲家の技法は前進する助けになりますが、他方、技法の欠如は創造の力を殺ぐかもしれないからです。》(p.108)
《初心者が有名な指揮者を模倣しようとしても、様々な技巧を取り入れるだけで、それではうまくいきません。生理学的な反応が欠如しているからです。》(p.202)
《あるジャーナリストが彼に「歌劇場に何を要求するか」とたずね、ベルクは「クラシックなオペラをモダンであるかのように、また逆に、モダンなオペラをクラシックであるかのように上演して欲しい!」と答えたのです。》(p.204)
《つまり、世代とは、探されるものではなく、見出されるものだということです。シュトックハウゼンやベリオのことを考えてみても、私たちが、同じ世代だというので団結しようと決心したことは決してありませんでした。そうではなく、私たちは出会い、共通性を感じたのです。》(p.381)
《音楽の歴史を一本の直線と見なそうとしたのは誤りです。(……)実にまちまちな流れがあるということです。(……)私たちは、規律のもたらす教訓を利用できたのです。私たちはそうした規律を必要な時に用い、必要な時にそうした厳格な規律から抜け出しました。》(p.396-8)
*****************************************************
Boulez - Sur Incises (extract) - Ensemble InterContemporain
コメントを投稿
コメントは記事の投稿者が承認してから表示されます。
アカウント情報
(名前は必須です。メールアドレスは公開されません。)
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。