「鷹」2011年12月号から。
特集は年間回顧アンケート・忘れられない句(これは今年「鷹」に掲載された句のみが対象)。
他に同人自選一句があるが、ページ全体がずらっと柱を隙間なく並べたような印象になっていて、同人の多さが改めて壮観。
藷割つてすなはち昼餉写生行 小川軽舟
巫女は手に釣銭数ふ萩の花
ワイシャツに灯の陰翳や衣被
汀の子ごはんに呼ばる秋簾
小川軽舟も入った『超新撰21』の座談会における筑紫磐井発言に、この作者の今後の方向・可能性として草間時彦が例に挙げられていたが、そういう自在感が強くなってきた気もする。予言の自己成就か。一方にまた《舟乗する湖水ぶあつし紅葉鮒》のような重い感触の句もあるのだが。
死にたい尉と生き生き嫗敗戦忌 星野石雀
冬瓜聖人牛蒡賢人隣り合ふ 奥坂まや
乗れさうもなき雲ばかり草の花 細谷ふみを
片付けて棚のあかるき小鳥かな 南十二国
鹿がまた撥ねられたると霧の町 髙柳克弘
廃船の竜骨に秋惜しみけり 大島美恵子
銀杏紅葉ゲバ棒とよもすは幻 竹岡一郎
人々は駅にやつれて神渡
南十二国は来月出る『俳コレ』に入集。明るい伸びやかな作風。
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高橋幸宏 - サヨナラ(Yukihiro Takahashi - Sayonara)
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