「鷹」(小川軽舟主宰)1月号は新同人発表といずれも年度賞である鷹俳句賞・鷹新葉賞・鷹新人賞の発表。鷹俳句賞は今野福子、鷹新葉賞は、遠藤篁芽、後藤義一、中島夕貴、鷹新人賞は該当者なし。小川軽舟・奥坂まや・布施伊夜子・岩永佐保・加藤静夫・星野石雀・細谷ふみを、司会髙柳克弘による選考座談会付き。
渾然となり秋水を離れけり 今野福子
桜草電話も鳴らず雨も止まず
能面の表情強(こは)し白茸 遠藤篁芽
霞む日や道の真中を耕運機
向日葵や子の描く母は怪物風 後藤義一
耐震構造なせる蜘蛛の囲町工場
秋澄むや吊りて鳥籠眼の高さ 中島夕貴
落鮎や夕日に淡き山の形
◆
木犀や妻のめざまし先に鳴る 小川軽舟
凍雲や文の束焼く灯油缶
鶏頭に老女のこゑの憑きしかな 奥坂まや
踊るなり藪を掻き分けゆくごとく 細谷ふみを
白萩や梯子渡してそれが橋 髙柳克弘
月の夜砂の世界に行きたしよ 南十二国
あをあをと海古びざる芒かな
虚子の声知らず水面を秋の風 永島靖子
脳髄に散らばる素数冬銀河 竹岡一郎
学校の前の陸橋おどし銃 安食亨子
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