須藤徹編集・発行の「ぶるうまりん」15号(2010年8月)、特集は「漱石・寅彦の俳句と俳文考」。
作品では吹野仁子、私の2名がそれぞれ自選作品50句(「末黒野」「日本景Ⅱ」)と、作句エッセイで参加。
刑事笑う穴八幡宮の蟻地獄 須藤 徹
白玉を裸体が跨ぐ鞭の音
さえずりや天の箪笥が少し開き
末黒野や原初へ誘う風の声 吹野仁子
春の音が眠って木魚にスリット
恐ろしい子守唄あり藪椿
戦争を見ていた幼い目玉焼き 小倉康雄
死の試技があればと思うお天気雨
小倉康雄は他に「(タルコフスキーの詩集)」の前書のある《『雪が降るまえに』死が来るその前に》という句も発表しているが、この「タルコフスキー」は映画監督のアンドレイ・タルコフスキーではなく、その父、アルセーニー・タルコフスキーのこと。
そしてあなたは消えたテーブルにおでん 山田千里
朧夜の貝が口開く民主主義 平佐和子
青蔦の伸び放題のアトラクション
海長閑と立っている御握り 野谷真治
惑星イトカワ春塵の塔建っている 土江香子
いつ来ても準備中なり若葉雨 二上貴夫
ミジンコの透けて真昼の多幸感 及川木栄子
パプリカの色ひびき合う蜃気楼
智積院の襖絵吹きわたる春風よ 齋藤 泉
サンダルで太古の記憶踏みしめる
消防車キリコの街を疾走す 三堀登美子
作品では吹野仁子、私の2名がそれぞれ自選作品50句(「末黒野」「日本景Ⅱ」)と、作句エッセイで参加。
刑事笑う穴八幡宮の蟻地獄 須藤 徹
白玉を裸体が跨ぐ鞭の音
さえずりや天の箪笥が少し開き
末黒野や原初へ誘う風の声 吹野仁子
春の音が眠って木魚にスリット
恐ろしい子守唄あり藪椿
戦争を見ていた幼い目玉焼き 小倉康雄
死の試技があればと思うお天気雨
小倉康雄は他に「(タルコフスキーの詩集)」の前書のある《『雪が降るまえに』死が来るその前に》という句も発表しているが、この「タルコフスキー」は映画監督のアンドレイ・タルコフスキーではなく、その父、アルセーニー・タルコフスキーのこと。
そしてあなたは消えたテーブルにおでん 山田千里
朧夜の貝が口開く民主主義 平佐和子
青蔦の伸び放題のアトラクション
海長閑と立っている御握り 野谷真治
惑星イトカワ春塵の塔建っている 土江香子
いつ来ても準備中なり若葉雨 二上貴夫
ミジンコの透けて真昼の多幸感 及川木栄子
パプリカの色ひびき合う蜃気楼
智積院の襖絵吹きわたる春風よ 齋藤 泉
サンダルで太古の記憶踏みしめる
消防車キリコの街を疾走す 三堀登美子
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。