特集／通信句会百回の記事中「対談 澤俳句は世界をどう見るか／通信句会特選句を読む」では、小澤實主宰の対談相手に呼んでいただいた。
小澤氏とちゃんとお話したのはこのときが初めて。好奇心旺盛な方で、記録担当の内田董一氏に終了後は装幀家の閒村俊一氏も交え、4人での飲み会。非常に楽しい対談でした。
8月号掲載句から。
新涼の耳掻購ひぬ京に來て 高橋睦郎
日の晝のしゝ゛まを秋の聲と聞け
つばくらの糞うづたかし湯宿なる 小澤 實
茂りの奥百歳小さくもの言はず
缶ビール棚すべりくるひとつ取れば 水田晴子
パンク自転車ごつごつ引き来(く)花大根 坪田久子
ままごとのサラダはつつじ赤と白 眞瀬雪延
バドミントン終ひに上半身裸 野口桐花
掌の中に蠅虎やくすぐつたき 生井敏夫
「蠅虎」はハエトリグモ。
出国印角帰国印丸成田夏 河辺柚里
リュウグウノツカイ持つに五人や余花の庭 押野 裕
マンホールよりとどろきや雪解水 長谷川照子
変心やしらすに混じる大しらす 川上弘美
貸しボート舳先集めて放射状 天野正子
深山へ入るぜんまい採りの縄梯子 長坂希依子
庭のすみれ踏まずば行けずふみにけり 結城あき
迫りだして桜満つバス停留所 塙 幸子
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