「小熊座」は佐藤鬼房創刊で現在は高野ムツオ主宰。
今回短文を寄せる機会があったので一部頂いた。
東京はついに迷宮蝉しぐれ 高野ムツオ「東京晩夏」より
夜の蝉渋谷の底をさまよえば
積乱雲が生まれ故郷という男
来たるべき時間のかたち朝顔は
以下「極星集」(同人作品)から。
青空の固きに揺れよ秋桜 平松彌榮子
メロン食べはるかな国に遊びをり 木村えつ
以下「海嶺集」(同人作品)から。
白桃の尻うつくしき御仏前 八島岳洋
丸見えの平和公園椅子灼くる 津高里永子
蝉の穴のぞいて兄は戦争へ 青野三重子
花火ひらく奥より花火ひらきけり 渡部須麻子
対角に鳳仙花的初老人 山野井朝香
遠花火かすかに呼応する土偶 矢本大雪
サングラスそこは国境かもしれず 佐藤成之
牛冷す金太郎かなり美男子 遅沢いづみ (※《おおダリア曽祖父の名は金太郎》に並べられた一句)
以下「海溝集」(同人作品)から。
白玉や掌にあるものを影といふ 山田桃晃
走らねば瓦解の駝鳥地平灼け 土屋休丘
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