澤俳句会
2007年
榮猿丸氏は昭和43年生まれの若い俳人で澤同人。
どういう句を作っているのかと知人から訊かれ、一昨年の『澤』を探し出してきた。句集がまだないようなので私もこれ以上はほとんど知らない。
春泥を来て汝が部屋に倦みにけり
テレビ画面端に時刻や春愁
看板の未来図褪せぬ草いきれ
富士山は雲の奥なる昼寝かな
裸なり朝の鏡に入れる君
秋の灯の紐こそよけれ紐引ける
ローリング・ストーンズなる生身魂
「生身魂」は俳句以外ではあまり見かけまいが、お盆の時期特有の、故人・先祖の霊だけでなくまだ生きている目上に対し、礼を尽くした呼び方。
梢までむささび駆けぬそのまま跳ぶ
どの窓もカーテン吹かれ卒業す
さへずりや電球の尻太き螺子
別れきて鍵投捨てぬ躑躅のなか
畳の目無数寝冷のわがほとり
指の肉照る箱庭に灯を入れて
Tシャツのタグうらがへるうなじかな
真上よりみる噴水のさみしかり
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