『俳句の宙 2018―精選アンソロジー』は編者表記なしのアンソロジー。14名100句ずつを収録。
以下、概ね各人1句抄出。
山々をこつんとはがし冬満月 赤根雅雄
煙突の空高すぎる秋思かな 石垣みち代
よく眠る市民ですプラハに満月 伊藤道郎
近道は踏切二つ夏の草 加山紀夫
少年の戸口に立てり雲の峰 加山紀夫
白木蓮かかときれいな母でした 工藤 惠
直木賞の平積み書籍雲の峰 佐藤和子
らふそくの明かりの宴避暑館 柴﨑加代子
存在が光を放つ新入生 柴田直美
逆縁の娘の夏服の捨て所 鈴木真春
花守のごとく交番灯の朧 髙橋 薫
炬燵ぶとん四隅正して客迎ふ 中條弘子
何もかもよく見えすぎて春の闇 平林 良
寒灯や柩に入るる世界地図 村松道夫
雑煮膳亡夫の席に長子ゐて 渡辺佳子
※本書は参加者加山紀夫氏より寄贈を受けました。記して感謝します。
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