2019年4月
私家版
『旅信』は蝦名石蔵(1949 - )の第5句集。
著者は「郭公」所属。
毛を刈られたる緬羊が啼きにくる
キタキツネ鉄路をよぎる薄暑かな
冬の海大蛇のたうつごときかな
どの崖も波に洗はれゐたり冬
ゆかた着て月の出早き出羽にをり
初富士をめがけ飛ぶもの走るもの
戦艦の燃えあがるごと雲の峰
どの山も笑ひて岩を落としさう
立てかける六尺棒へ雷雨かな
コート脱ぎ紀貫之の墓訪はん
島の蝉海へ飛び出しすぐもどる
まつくらな海に囲まれ夏料理
砂を出て春惜しまんかカブトガニ
うずしほの中心動く涼しさよ
巡礼の鈴にふりむく浴衣の子
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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