『めるくまーる』は川柳作家・樋口由紀子(1953 - )の第3句集。
著者は「晴」編集発行人、「豈」同人。
嬉しくて軍手のことを考える
蓮根によく似たものに近づきたい
どのパンを咥えて現れでてくるか
よろずやの二階で涙止まらない
雑巾をかたく絞ると夜になる
ダブルベッドのどこに置こうか低い鼻
自転車で轢くにはちょうどいい椿
匿名のままで歩いていく廊下
からっぽの帽子の箱は恥ずかしい
こんなことできないという静電気
ブラームスの歌曲を聴いて振り出しに
空き瓶のにおいをさせて猫が行く
もういいわブルドーザーで決めるから
漢和辞典の中でいらいらしている
さいころの6がでるまで金曜日
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。