2014年6月
ふらんす堂
『祭の子』は岡崎長良(1922 - 2014)の第2句集。帯文:小川軽舟。
作者は「鷹」同人。
鼻に藁つけて仔馬の立ちあがる
村百戸入江の奥や桃の花
血豆見せ手柄顔なり祭の子
秋燕や島から島へ長き橋
入口のわからぬ寺や日雀鳴く
道の辺に鮎を焼きゐる郡上かな
寒の顔衣裳戸棚の小鏡に
抽斗に蜻蛉の化石天の川
三川の合ひて桜の盛りかな
古書を得て花の夜道を帰りけり
縁先に爪切る音や梅雨に入る
わが影を踏んでゆくなり月の浜
若き日の良き交はりの花野かな
手に受けて時雨と思ふ奥比叡
花の谷珠の齢を重ねける
※本書はご遺族より寄贈を受けました。記して感謝します。
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