2015年
飯塚書店
『日本文化私観』は久保純夫(1949 - )の第9句集。
“さまざまな絵画を対象として”書かれた俳句を収める。舟越桂、草間彌生、酒井抱一、伊藤若冲、フェルメール、ジミー大西、武田秀雄、藤平伸、藤田嗣治、新垣幸子、円山応挙、竹内栖鳳、小野竹喬など。
著者は鈴木六林男に師事。「花曜」「光芒」を経て、個人誌「儒艮」創刊。
犯されている眼差の櫻鯛
女から変わってゆけり葱坊主
少年の乳が膨らむ杜若
虚空より降り来しあまた大百足
まだ細く揺れて戀しき糸瓜かな
絡み合う幹謐かなり藤の花
緋牡丹を盆で運びし媼かな
身悶える幹より直の櫻たち
蓮根の継ぎ目を折ればくくと鳴く
夢の世の網目麒麟の涎かな
どこからも潤んできたり蕗の薹
朝顔の深淵に指入れてみる
異類らも及ばぬ臀(いしき)百日紅
宇宙(コスモス)の真ん中にあり自在鉤
てろへろの枝の先なる尉鶲
※本書は著者より寄贈を受けました。記して感謝します。
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Tchaikovsky - Manfred Symphony in B minor, Op 58 - Zhang
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