閑中俳句日記（別館） －関悦史－

須藤徹 「ストラディバリウスは燃え」50句（「ぶるうまりん」12号掲載）

ぶるうまりん俳句会
2009年
　　

須藤徹氏から「ぶるうまりん」12号を送っていただいたので、巻頭の作品50句「ストラディバリウスは燃え」から少しご紹介。大統領就任の時事詠等も含む。
　　

七草粥ラヂオの上の国家澄み

行間に偽の雪降る拷問展

七輪がゆうぐれを待つ薬喰

大国のふきとんでゆく山椒の芽　　（2009年1月20日オバマ大統領就任、3句）

棒状銀河グアンタナモの有刺線に蝿

遠潮騒夜の国家がマスクして

南十字星潜水艦が蛸を追う

百人の仮面の睥（み）ている冬三つ星

逃げ水へ逃げる女に遺書渡す

ばるさみこ酢の春が低目に月島は　　（同2月２１日、佃島・月島、5句）から

蕗の中ストラディバリウスは燃え　　（同3月7日、第21回現代俳句協会青年部シンポジウム、2句）

階段に前衛匂う鎌鼬

国歌斉唱煙の中へけむり消え

脳中は雨脚白し銃を埋め

蝶の翅が濁流均す椀の縁

雨脚の色は飴色蜷の道

花冷えへ紡錘形の虚実剥く

　直接には関係ないのかもしれないのだが、大江健三郎のエッセイに〈生の紡錘形理論〉というのがあったのを思いだした。人の生は生まれたときは知人友人はゼロ、生の半ばへ向けてそれが次第に増えていき、中高年にさしかかるとまた少しずつ減っていくという動きをグラフ化したような「理論」。『小説のたくらみ、知の楽しみ』あたりに入っていたのではなかったか）。

【告知】 イベント「朗読火山俳」

島田牙城氏からイベントのお知らせがありました。
許可を得ましたので、以下に情報を転載します。

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「里」俳句会お世話係の島田牙城です。

さて、私たち「里」俳句会では、俳句を舞台上で自由にパフォーマンスする「朗読火山俳」という試みを毎年行っております。

今年の「朗読火山俳」は9月21日、翌日の火山俳吟行を21日夜からの泊まりで実施しようと決めたまでで、現状、準備が全くすすんでおりません。

そこで少しでも多くの方々にこの催しを知って頂き、また、観客としても、舞台上のパフォーマーとしてもご参加頂きたく、皆様にメールを差し上げます。
本日は先ずここに、広くパフォーマーを募ります。

現状、仲寒蝉・河西志帆・島田牙城らの「里」からの常連6組の名乗りとなっておりますが、去年は麻里伊さんを中心に「や」の三人組が舞台を盛り上げてくれました。

是非お手をお挙げ頂きたくご検討のほど、宜しくお願い致します。

なお、朗読パフォーマーからは、9月12日までに牙城宛に朗読原稿をお送り頂き、当日朗読会終了後に観客に配布、「里」10月号にも作品を掲載させて頂きます。

宜しくお願いします。

記

第八回朗読火山俳　朗読パフォーマー募集

9月21日、佐久勤労者福祉センター大ホールで行われる、里俳句会主催の朗読パフォーマンス・

「第八回朗読火山俳」では、広くフリースタイルでの朗読パフォーマーを募集しています。

1.      参加資格　特になし

2.      自作俳句を「フリースタイル」で10分以内(俳句の数は特に制限しません)で朗読、舞台表現する

3.      俳句の定義は朗読者に任せます

4.      音響・衣装などはすべて自己管理

開演は3時予定、パフォーマーは遅くとも1時には会場入りして下さい。

なお、旅費などは一切個人持ちとなりますこと、ご了承下さい。

また、21日夜、霊泉寺温泉に泊まり、打上げ、翌日吟行句会を行います。こちらは自由参加です。

申し込み・お問い合わせは、

里俳句会　牙城

0267-68-6780

385-0007 佐久市新子田915-1

Email: [email protected]



まで。

朗読参加申し込み締め切りは、8月12日とさせて下さい。

観客として誤算かの場合は当日受付可です。その場合も翌日吟行会参加の方は先にご予約頂きます。

ちょっと古いのですが、第三回の写真がここに掲載されています。

http://www7.ocn.ne.jp/~haisato/kazan3photo.htm